ヘタレの入院備忘録 vol.2

どんな空間で召し上がるかと言いますと
こんな感じ

まぁ、ありがちな
カーテン仕切りのつまらない空間ですな


伊右衛門の玉露を入れたって、何を入れたって
絶対に不味くさせるパワーを持っている
このお茶飲みグッズ
コイツを口にくわえてちゅーちゅーするのだ
当日はお世話になったが、起きれるようになると
味気なさだけが目立ってしまう、残念なグッズ

と、ぼやいていたら
お昼になっていた

グラタン 大根のキンピラ風 わかめスープ おかゆ
が食欲を減退させるプラスチックな器で出てくる
イエローイモ虫スプーンはまたもや鎮座していた

味は総じて薄いが、んなことは当たり前ですな
濃くて揚げ物が多い病院食聞いたことないもんね

何を食べても、何を口にしても美味しくない
これは1つ勉強になった

たとえば
三ツ星をとるような食事をこの器で
この環境で出されたら絶対に美味しくないだろう
大好物のお店の飯を同じ状況で頂いてもぜーんぜん
美味しくないだろう

飯というものは 器とか環境とか心境とか 属性のほうが
味よりもずっと大切なんだ、ということが分かった

好きな人と 暖かい日差しの中で 休日に
という属性があれば
コンビニ弁当でもそれはきっとおいしいのだ
属性がそうさせる

大好きなお寿司を
むかつく上司と 雨の中 寒くて 眠たいときに
食べたらどうでしょう
この属性はきっと、絶対にその寿司を不味くさせる
パワーをもっているはず

入院してこんなことが分かりました
体のことも健康もなにもかも分かりませんでしたが
飯はほぼ属性で決まる、ということが分かったので
それはそれでいい勉強になりましたし
同時に、病院っていうのはこういう
食事の出し方じゃダメじゃないか、と強く思った
しばらく出られない人、ずっとずっと出れない人も
たくさんいる
そういう人たちの楽しみにならないとダメなんじゃないかな
工夫すれば出来ると思う
あのままじゃ病院でさらに病気になってしまう、って思ったよ

【入院の○と×】

○:失うことは得ることと同様に重いことが分かった
×:スケジュールに入っていないこと

colle-shiba

Uncle murmur Nel cor piu